栄光ホールディングス株式会社
 代表取締役会⻑
⼩⾕ 年司 TOSHIJI KOTANI

ローカライズとモノブランド化の鍵を握るのは「共生」という視点

栄光ホールディングスの小谷年司 代表取締役会長は経済におけるいわゆるコロナショックを「ビジネスを見つめ直す良い機会」と捉えています。今後、国内経済はどうなっていくのか、グループの展望を含めた未来について伺いました。

コロナ禍によりローカライズが浸透し、商品ニーズの二極化が進んだ

2020年のコロナ禍が経済に与えた影響は少なくありません。一方でこの状況を俯瞰してみると、ローカリズムの復旧、浸透が進んだ印象があります。これまで人口や商圏が東京など一箇所に集中していたものがコロナによる移動制限などにより地方へ分散化され感染者数の発表が県別に出来た結果、県というボーダー意識が心理的に強くなりました。これはある意味でシャッター商店街の復活のチャンスとも言えるし、経済がチェーンストアも店別から個人経営の店へシフトする転換期なのではないかという期待もあります。

さらに市場を分析してみると、グループ会社で言えばロレックスを取り扱うグロリアスが好調で、周囲を見渡してみてもハイブランドと呼ばれる商品を取り扱う企業は一時的な落ち込みがあったとはいえ、一部の富裕層の存在によって、その後に堅調に推移しています。また、ファストフードやファッションなどには今までと同等かそれ以上に人が集まる “真ん中”が伸び悩む二極化が進んでいます。言い換えれば、物の価値についてお客様に対して説得力のある理由があるもののニーズに陰りはないという事。「コロナで不況だ」と単純な切り取り方をしていると、市場を見誤る気がしています。

エンドユーザーの財布の紐が堅いのではなく、開く方法が変わっただけ

栄光グループで取り扱う商品は大きく時計と宝飾品に分けられます。時計に関して言えば、グロリアスの状況をみて分かる通り「本物」への回帰と根強いニーズが浮き彫りになりました。さらに言えば、本物志向が一層と進み、それにより新たな潮流を生んでいる向きもあります。もう一つ、時計はモノブランド化が進むと考えています。つまりロレックスを例に取ればロレックスの専門店のような形。ブランド力を持ち、そこに一定のファンがついていることを前提にお客様と小売店が密接に繋がる形です。幅広い商品を満遍なく取り扱う時計店は今後、転換を迫られるかもしれません。対策としては独自のブランドや市場に出回らないものを取り扱うこと。つまりお店としての個性を育むことです。そのためには、既存の売れ筋商品や有名ブランドを無個性に販売していても未来はありません。思い切って、ブランドを見つけて、それを自ら育てるという視点への切り替えも必要な気がします。

一方で宝飾品ですが、コロナにより売上が伸びずに苦戦しているという意見もありますが、私はそうは思いません。もともと3兆円と言われていた宝飾品市場が8,000億円に縮小したのは何もコロナが始まってからの事ではありません。加えて市場の2割を占めるブライダル業界が調子を落としていますが、これはコロナが原因で、結婚式そのものの延期などが遠因。古代エジプト文明から続く、宝飾品への人々の憧れは未だ衰えておらず、要は今まで経験してきたことがない状況下、規制下で、お客様へどのようにアプローチしていくか、新たな手法を小売店様と一緒に考えるべき時期だと思っています。

いづれにしても、店主の趣向や生き方というか、経営哲学といったものが随所に感じられるお店の雰囲気を作ることが大切です。私達はそのためのヒントや商品を提供する役割だと考えています。

小売店様と二人三脚で売上を確保すること。そこで生まれる雇用増こそが社会貢献

私達は今まで小売店様との二人三脚で進むことでここまでに至りましたし、今後もこれに変わりはありません。引き続き魅力的な商品を小売店様へ提供することで売上に貢献すること。そして小売店様に力を与えていくことで周辺地域の雇用を守ったり、新たに生み出すことが大事で、ひいてはこれが社会貢献に繋がると考えています。

今後の新たなビジネスモデルについてどうしていくか。例えばデジタル化の推進などは、小谷社長を筆頭に若い社員に任せていくとして、私は今後のキーワードとして「共生」を挙げたいと思います。経済がローカライズ化されればなおさら重要な意味を持ってくるでしょう。東京と大阪を比較する例えとして、飲食店のレジ前で奢らなければと思うのが東京の人、割り勘したいのが大阪の人なんて言われています。大阪風のこの考えこそ、今後のビジネスで見直されるべき視点ではないのかなと考えています。利益も痛みも共有しあうこと。一社が独占するのではなく、業界や業態を超えて各社それぞれが専門領域で活躍し、足りない部分を他社あるいは地域などで補い合う形が新しいビジネスの姿だと予想しています。

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